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XopsAddonCreatorの使い方メモ

XopsというFPSのマップやイベントを作製するツール「XopsAddonCreator(XAC)」について、マップ作製がそれなりにできるようになったのでメモも兼ねてまとめます。
このツールはXops公式から出ているXopsToolsの機能を統合・改善したものです。

 

1.はじめに


私はシングルミッションの作製はしていません。マップ作製のみです。
デフォルトマップを差し替えてマルチプレイで遊んでいます。

 

2.ダウンロード

http://mikan.the-ninja.jp/
上のタブからダウンロード>ソフトウェアと進むとダウンロードできます。
このソフトウェアは[-_-;](みかん)氏によって作製されたものです。圧倒的感謝。

XAC付属の取扱説明は公式のXopsToolsの説明書を読んでいることが前提になっています。
公式サイト(http://hp.vector.co.jp/authors/VA022962/xops/)からダウンロードできますので、こちらも合わせて読みましょう。

先に説明書を読んでください。操作は全て書いてあります。

また、Xopsはオフライン版とオンライン版のどちらも導入しておきましょう。

 

3.前提知識


Xopsのマルチプレイマップのフォルダは数種類のファイルで構成されます。欠けているファイルのあるマップはおそらくロードできません。
マップは全て(Xopsフォルダ)\data内にあるmap~と名のついたフォルダに入っています。
フォルダにあるファイル群はそれぞれ以下の働きをします。

 

temp.bd1
ブロックデータファイルです。マップデータです。Xopsではマップは全てブロックで構成されており、その情報が格納されています。
temp.pd1
ポイントデータファイルです。マップ上に存在する人、武器の情報が格納されています。
temp.txt
ミッション情報です。マルチプレイでは元あるままで変更しません。削除するとロード時にフリーズします。
画像ファイル
ブロックデータで紐付けられているテクスチャ画像です。不足していれば豆腐のような白ブロックがマップに現れます。

 

4.起動/画面構成


XAC初回起動時に、オフライン版Xopsのファイルパスを聞かれます。
これはマップ作成時の3Dモデルやエミュレーター機能のためと思われます。
設定でいつでも変更できます。正しく入力しておきましょう。

 

3つの赤いグリッド線が入った画面と1つの黒い画面が表示されていれば問題ありません。
右上の黒い画面は3Dビュー画面です。実際のマップの様子を確認しながらマップを作製できます。
その他の赤いグリッド線が入った画面は2Dビュー画面です。
それぞれの視点から対応した様子を白線で表示します。
左上:マップ上空からの見下ろし視点
左下・右下:マップ横からの視点

 

下2画面のみにある緑の横点線はデッドラインです。
この線に到達するとキャラクターは即死します。
マップ製作時には原則としてこの線を下回らないようにする必要があります。

 

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基本の画面構成

 

5.マップ作製

ブロックデータの作製です。
右側の編集モードが「ブロック編集モード」になっていることを確認してください。

 

1.ブロックの配置


前述の通り、Xopsはブロックでマップが構成されます。
マップ作製もブロックを置いたり変形させたりすることで行います。
ブロックに大きさの制限はありませんが、数は160個までと決まっていることに注意しましょう。

 

とりあえず置いてみましょう。
ブロックは2Dビューで右クリック>新規ブロックをクリックすることで配置できます。
ブロックダイアログでテクスチャの選択画面が現れますが、テクスチャ無しでも配置できます。
新規配置を押して配置してください。
3Dビューに白い豆腐のようなブロックが、2Dビューに白い正方形が描かれているはずです。
また、配置直後は2Dビューの正方形は緑の点で頂点が選択されています。
そのブロックの頂点が全て選択されている場合、ブロック自体の移動ができます。
辺をドラッグしてみましょう。自由にブロックを動かせるはずです。

 

<各ビューの最低限の操作>
・2Dビュー
マウスホイール回転:拡大/縮小します。
マウスホイールクリック+ドラッグ:ビューを移動します。

 

・3Dビュー
マウス左クリック+ドラッグ:その場で視点を回転します。
マウス右クリック+ドラッグ:選択されているオブジェクトを中心に回転します。何も選択されていない場合は、原点を中心とします。
マウスホイールクリック+ドラッグ:拡大/縮小します。ビューを移動するように使うことができます。
ブロックの面をダブルクリック:その面を含む頂点を選択状態にします。

 

2.ブロックの変形


左上の2Dビューで頂点を2つ選択してみましょう。
そのまま辺をドラッグするとその方向にブロックを伸ばすことができます。
それぞれの2Dビュー画面で変形できるので、下2画面で上下に変形すると坂道などになる平行四辺形ができます。
ブロックはルールに沿っていれば自由に変形することができます。
ルールからはずれるようなブロック(ねじれている、頂点が重なっているなど)はそのブロックがオレンジ色の線になります。
この場合不具合が発生するのでもう一度配置をやり直してください。

 

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全ての神マップは豆腐から始まる

3.テクスチャ設定


テクスチャが無ければブロックは豆腐のままです。なんとも味気ないのでテクスチャ画像を貼り付けましょう。
テクスチャ設定をする前に、ブロックデータは保存する必要がありますのでしておきます。
ファイル>BD1を名前を付けて保存 から保存できます。
bdファイルとテクスチャ画像ファイルは同じフォルダにないと読み込めないので、マップ用のフォルダを作成しましょう。

 

テクスチャ画像は正方形の画像ファイルであれば良いようです。(bmp/jpg/pngは読み込めています)
自分で用意するか、デフォルトマップのものを使わせてもらいましょう。
あらかじめbdファイルと同じ場所に画像をコピーしておきます。
その後、ブロック>テクスチャ設定 を開きます。
0~9の空欄があると思います。ここに、テクスチャ画像のファイル名のみを拡張子込みで入力します。
フォルダのパスなどは必要ありません。また、拡張子を忘れないでください。

 

正しくテクスチャ設定がされていれば、豆腐ブロックには自動的にテクスチャが貼り付けられます。
また、ブロック配置時にテクスチャを選択してから配置できます。
ただし、Xopsの仕様上テクスチャは10種類までしか使えません。

 

これらの手順を繰り返して地道にマップを作っていきます。
最初はデカイ真っ平らな床に適当な箱を置いたマップでもいいと思います。
ただし、マップデータだけではプレイできません。
ポイントデータも作らないといけません。

 

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処女作「コンテナ」 戦略性が行方不明


 

6.ポイントデータ作成

ポイントデータの配置です。
右側の編集モードが「ポイント編集モード」になっていることを確認してください。

 

ポイントデータは全て4つの番号を持ちます。
これらの値を変更して、人や武器を配置するわけです。
どの値がどのデータに対応しているかはXopsToolsとXACの説明書に記載があります。
これらに記載があるように、4番目の値は常に「認識番号」になります。

 

識別番号はポイントを識別するための番号です。
マルチプレイではチームに対応する人の情報を識別するために以下にある4から始まるものには入力する必要があります。
番号は-128~127まであり、自由につけることができます。
ただし、以下の番号は自分でつけるものには特定の場合を除いて避けてください。
0:プレイヤー自身を指す番号です。
-100/-110/-120:オフラインのミッションのイベントチェーンを開始する識別番号です。オンラインではオフラインのイベントは発生しませんが、あえて使う必要もないので避けてください。

 

以下で自分が使ったものだけ書いておきます。
説明書のポイントのパラメータリストを開きながら作業するとはかどります。

 

1.人の配置

人を配置するためにはあらかじめ「人情報」のポイントを配置した上で「人」のポイントを置く必要があります。
2つのポイントを対応させる必要があることに注意してください。

 

2Dビュー上で右クリック>新規ポイント配置を選択してください。
4つの[0]が並んでいると思います。
それぞれの番号はA-Z/S-X/D-C/F-Vキーで増減できます。

 

まず、「人情報」を配置します。
このポイントは情報のみを含むポイントで、マップのどこに置かれているかは関係ありません。
2Dビュー上で選択しやすいところへ置くと良いでしょう。

 

人情報;
[4] (人の種類番号] [チーム番号] [識別番号]

1番目:4を選択します。
2番目:配置したい人の種類番号を選択します。モデルのリストは説明書にあります。 マルチプレイでは一部のモデルは選択できないようです。

3番目:チーム番号を選択します。マルチプレイではチーム番号が同じ人は味方となり、攻撃が通らなくなります。また、2チームのチームデスマッチルールのみですので3種類以上の番号を割り当てるのはあまり良くないでしょう。
とくにこだわらない限り、0か1で良いと思います。
4番目:識別番号を入力します。まだ使っていない番号を入れてください。

 

人情報を配置した後に、人のポイントを配置していきます。
このポイントは人情報と違ってそのポイントの場所に人が出現するので、配置に気を付けましょう。
例えば、ブロックにめり込んでいると操作はできなくなります。また、高すぎるとマッチ開始時に落下ダメージを受けます。
現状の最新版のXopsolt19f2では1チーム7人づつ、合計14人を配置する必要があるようです。

 

人;
[1 または 6] [人情報の識別番号] [0] [0]

 

1番目:1か6を入力します。1は通常のスポーンになります。
6を入力した場合、メインの武器を持たない状態でスポーンします。
2番目:上で配置している人情報の4番目に入力している識別番号を入力します。
ここに人の種類番号は入力しません!
3番目:0を入力してください。
4番目:0を入力してください。

 

ポイントの配置例としては、
[4][0][0][1]
[6][1][0][0] x7つ
→「特殊 黒A」をメイン武器なしで7人配置

[4][9][1][2]
[6][2][0][0] x7つ
→「特殊 青」をメイン武器なしで7人配置

これらのポイントを配置することでマッチを開始できます。

 

2.武器
マップの任意の場所に武器を配置できます。

武器;
[2] [武器の種類番号] [弾数] [0]

 

1番目:2を入力します。
2番目:配置したい武器の種類番号を入力します。リストは説明書にあります。
3番目:弾数を入力します。
4番目:0を入力します。

 

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武器の配置も地味 面倒ならUMPでも置いておこう



 

7.その他


・グリッド修正について
作業をしているとグリッド線に吸い付くような挙動をしていることがわかると思います。
これは右のパネルのグリッド修正が効いているからです。細かな作業ができないと困る時はオフにすると良いでしょう。
また、このグリッド修正はグリッド線を詳細にすることでより細かくスナップしてくれます。
グリッド線はCtrl+マウスホイール回転で細かさを変えることができます。
グリッド修正が効いているときに制作途中でグリッド線の細かさを変えると荒い方にスナップしてしまって大変なことになる場合があります。
できるだけ細かさは統一して作業するほうが良いでしょう。

 

・エラーチェック機能

F3でエラーチェックができます。

「問題があります」の場合、おそらくそのマップはプレイできないので、詳細からエラーを確認して修正してください。

「問題が潜んでいます」の場合、プレイはできます。一応。

潜んでいるだけなのでセーフです。

 

エミュレータ機能

Ctrl+F3でエミュレータを使ってその場でテストプレイができます。超便利。

ただし、ブロックとポイントデータに問題がない場合のみです。

 

8.プレイ方法

デフォルトのマップと入れ替えて、サーバーを立てるとプレイできます。

ただし、マップデータがサーバーとクライアントで違っているとキックされてしまうのであらかじめ共有しておきましょう。

(Xopsはとても軽いので実はDiscordなどに生で貼れます。便利です。)

また、デフォルトではマッチは自動で始まるので、マップ選択をする時間がありません。

F11から"auto"と入力すると自動スタートのオンオフを切り替えられます。

 

テストする人がいない!という人は自分でサーバーを立てて、さらに自分で入るという方法があります。

IPアドレスを入力するところに"localhost"と入力するだけです。

 

9.各種Tips


・かゆいところに手が届く便利コマンドがあります。
F1:付属の説明書を開きます。
F5:編集モードを切り替えます。
頂点を1つ以上選択+F4:1つ以上選択されたブロックの頂点を全て選択状態にします。
ブロック同士が近く、ドラッグで選択できないときに便利です。
頂点を選択+Tab:全ての頂点が選択されているブロックのみを選択状態にします。
近くのブロックを巻き込んで選択してしまうときに便利です。

 

デュアルディスプレイで作業をする場合、プライマリディスプレイでないほうへウィンドウを移動すると2Dビューの拡大縮小をマウスホイールでできなくなります。

 

<個人的ハマりポイント>

・ポイントの人情報と人の関連がさっぱり分からなかった。

・3Dビューで選択できることに時間がかかった。

重なったブロックのサイズ変更などはF4で全選択し、一回引っこ抜いてからサイズを変更し、また戻していた。

 

<デフォルトマップとフォルダ名の対応表>

map1  Building

map2 SnowBase

map3 DesertTown

map4d MilitaryBase

map5 UnderGround

map7d WareHouse

map9 Duel

map10 Alley

map12 Tunnel

map13 Maze

map14 Office

map15 Ruins

map16 Relic

 

 

結構苦労しますが簡単な割に結構いい形になります。

夏休みの自由工作にいかがでしょうか。

 

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FPS分かる人には分かるマップ T側はブロック数上限でむり